建設産業機械メーカーのコマツ(東京都港区)はこのほど、大型プレス機械など産業機械事業の拠点としてきた同社創業の地・小松工場を来年3月末までに閉鎖し、金沢港に隣接する金沢工場(金沢市大野町)へ移管すると発表した。昨年後半からの世界的な景気後退を受け、国内工場を再編することでより効率的な生産体制を構築し、競争力を強化する狙いと見られる。
産業機械事業の金沢工場への集約について同社では、昨年秋に金沢港大水深岸壁が整備され、大型貨物船の接岸が可能となり、製品輸送のコストと時間が短縮できる点を理由に挙げている。同時に、これまでの陸上輸送がゼロに近づくことで、二酸化炭素の排出量を年間340トン削減できるのも、今回の決断につながったようだ。
同社では現在、小松工場で行っている大型プレス機械の加工と組み立てのうち、組み立てを金沢工場に、加工は協力企業の鈴木鉄工(能美市粟生町西)へ振り分ける計画。金沢工場には、鈴木鉄工に委託している中型プレス機械の組み立ても移されるため、金沢工場が文字通りプレス機械の組み立てと製品出荷の拠点となる。
今回の工場再編に併せて、金沢工場に産機事業本部を置き、グループ会社であるコマツ産機の東京の管理部門から50人以上が着任する。