野々市町を舞台に産学官連携から生まれた地域ブランド純米吟醸酒「ichi椿(いちつばき)」の販売が3月より、町内の酒販店などで始まっている。
「ののいち椿まつり」で「ichi椿」のPRに努める野々市の粟貴章町長(写真右)
「ichi椿」は、2007年11月から産学官連携の取り組みとして、野々市町に酒蔵を置く中村酒造(金沢市長土塀3)を中心に、石川県立大学、野々市町、石川県産業創出支援機構、酒米生産者などで組織する「野々市ブランド酒検討会」により開発を進めてきたもの。酒米、水、酒造用酵母すべてにわたって地元産にするのが商品開発のコンセプト。
近年、町内での生産が途絶えていた酒米「五百万石」を、同町の農家に依頼して生産を再開。2008(平成20)年度に29俵の収穫を得た。水は白山の伏流水を使用し、酒造用酵母は、町の花として愛されているツバキに着目。町内に咲くツバキの花を採取し、県立大学で酒造に適した酵母菌の分離や発酵試験を実施した。
商品名の「ichi」には野々市の「市」や「一押し」などの意味が込められている。若者や女性に飲んでもらうため、アルコール度数は13度台と低めに設定。県立大学の学生の意見を反映させて飲みきりサイズの300ミリリットルとした。
完成した「ichi椿」は3月21日・22日に行われた「ののいち椿まつり2009」でお披露目。同町産業振興課課長補佐の山口良さんは「上品な香りとすっきりした甘みで、若い人や女性に好まれる味」と太鼓判を押す。
価格は1本472円で、5,000本を限定販売する。問い合わせは、野々市町産業振興課・商工振興担当(TEL 076-227-6082)まで。