北陸先端科学技術大学院大学(略称=JAIST、石川県能美市旭台1)キャンパス内の学生食堂で3月14日、「サイエンスカフェ」が開催された。
カフェは気軽な交流の場として親しまれており、スポーツ観戦のカフェや芸術・文学カフェなど、カフェを通じた文化活動や交流活動が盛んに行われている。こうした位置づけのカフェに、科学をテーマにした交流を持ち込んだのが「サイエンスカフェ」。
くつろいだ雰囲気の中で各分野の専門家と一般市民が科学について語り合うシンポジウムの新しいかたちで、1998年にイギリスのリーズで始まった「カフェ・シアンティフィーク」が起源とされている。日本では2005年、東京・下北沢のカフェで東京大学の研究者らが中心となって初めて開催。北陸では2005年10月、JAISTの学生が中心となり地域として初めて開かれた。
「サイエンスカフェ石川」として10回目を迎える今回のテーマは「JAIST学生の研究生活と日常生活」。同大学では1990年の開学以来、さまざまなイベントを通じて能美市民との交流を図っており、今回はサイエンスカフェの形式で地域とのつながりを深めることが目的。
当日の参加者は能美市民ら約20人。同大学マテリアルサイエンス研究科博士前期課程の小野道真さんと堀居三樹子さんがそれぞれのキャンパスライフや取り組んでいる研究内容について発表した後、3つのグループに分かれてディスカッションが行われた。参加者と発表者は「JAISTで行われている研究はどのように実社会で役立つのか」「JAISTはどんな大学なのか」などといったテーマで、飲み物を片手になごやかに話し合った。
カフェタイム終了後は研究室の最新の設備を見学するツアーが行われ、参加者はJAISTに対する理解をより深めた。
サイエンスカフェ石川は今後も不定期に開催を予定する。問い合わせはJAIST知識科学研究科特任准教授・小林俊哉さん(TEL 0761-51-1788)まで。