金沢で「燈火で見る」屏風絵鑑賞会-ろうそくの明かりで幽玄世界体験

屏風に描かれた虎や千鳥がろうそくのあかりで浮かび上がる

屏風に描かれた虎や千鳥がろうそくのあかりで浮かび上がる

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 金沢市立中村記念美術館(金沢市本多町3、TEL076-221-0751)の旧中村邸で3月13日~15日、「燈火(とうか)で見る屏風(びょうぶ)絵鑑賞会」が開かれ、参加者がろうそくのほのかな光で、歴史ある金屏風(びょうぶ)の魅力を味わい、深い幽玄の世界を満喫した。

会場となった「金沢市立中村記念美術館」

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 同鑑賞会では、作者不詳で桃山時代から江戸初期の作品とされる「波に千鳥図屏風」、18世紀に会津藩のお抱え絵師として活躍した加藤遠沢(かとうえんたく)の「祇園祭礼図屏風」、江戸初期の狩野派の絵師、狩野常信(かのうつねのぶ)が描いたとされる「虎図屏風」の3点を展示した。

 同館の藪下宏館長は「江戸時代の大名屋敷は日中でも薄暗く、人々はろうそくをともして屏風絵を鑑賞していたと想像できる。現代の人工的な照明の下で見る金地の屏風絵は、華やかで豪華な印象があるが、制作時の江戸時代と同じくろうそくのあかりで屏風絵を鑑賞すると神秘性が際立ち、描かれた動物の生命力までもが感じられる」と説明。会場にともされた約10本のろうそくが、和室の三方に据えられた屏風を照らし出す中、各作品の見どころを解説した。

 同館は茶道具美術の名品を中心に、重要文化財を含む書、絵画、古九谷、加賀蒔絵、加賀象嵌などの作品を収蔵している。同鑑賞会の会場となった旧中村邸は、1928(昭和3)年に住宅として建築されたもので、金沢市の保存建造物に指定されている。

 「燈火で見る屏風絵鑑賞会」は、今月27日~29日にも各日4回開催す。所要時間は約50分。参加費は600円で、定員は1回15人。参加申し込みは同館まで。

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