金沢国際交流財団(金沢市本町1)は3月8日、「冬にぴったりのあたたまる料理」をテーマに各国の料理を紹介する全4回シリーズ最終回として、「世界のあったか料理・アメリカ編」を中央公民館長町館(金沢市長町2)で開催した。金沢市国際交流員のクレーカ・デイビッドさんが講師を務め、20人の参加者がアメリカの家庭料理に親しんだ。
アメリカのミシガン州出身のデイビッドさんが紹介したメニューは、「パスチシオ」「アスパラガスのニンニクいため」「マッシュポテト」「チキンレモンライススープ」の4品。シリーズの中で、唯一男性講師となったデイビッドさんは、さまざまな文化に育まれてきたアメリカの料理のルーツについて説明しながら調理を進めた。参加者からは「身近にある食材で作れるので自宅でも試してみたい」「バターの量が多くコッテリしていると思ったが、レモンを使うことで思いのほかあっさりした味に仕上がった」「パスチシオはラザニアではなくマカロニを使うので思ったより簡単」などの感想が聞かれた。
「パスチシオ」はマカロニを使ったオーブン料理で、牛ひき肉にシナモン・オレガノなどのハーブで香り付けをした日本人の味覚にも好まれる味付け。「アスパラガスのニンニクいため」はシンプルに調理法で、バターを使いコクを出す。「マッシュポテト」はアメリカで付け合せとして人気が高く、ハーブの一種ディルで風味を高め生クリームと牛乳でクリーミーに仕上げる。「チキンレモンライススープ」は、チキンスープをベースにレモン汁とワイルドライスを加えたさっぱりとした味付けに。
2007年に金沢市に赴任し現在2年目を迎えるデイビッドさんは、2003年に琵琶湖の客船で働いた経歴を持つ親日家。アメリカ料理について、「『これぞアメリカ料理!』と言い切れるものは少なく、今回のレシピの中でも、『パスチシオ』『チキンレモンライススープ』はもともとギリシャの料理。アメリカでは各国の料理が家庭の味に組み込まれている」と説明する。
最終回を迎えた同講座は、毎回抽選になるほどの人気。参加者は「このような企画があれば、また参加したい」と口をそろえる。同財団の蔵美紀さんは「このような国際交流と理解を深める場を今後も多く提供していきたい」とシリーズを振り返った。