伊調姉妹、北京五輪の思い出語る-金沢市レスリング協会のイベントで

伊調姉妹と金沢市レスリング協会の子どもたち

伊調姉妹と金沢市レスリング協会の子どもたち

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 オリンピックで2大会連続メダル獲得を成し遂げた、女子レスリングの伊調千春さん・馨さん姉妹が2月14日、ホテル金沢(金沢市堀川新町1)で開かれた金沢市レスリング協会創立30周年記念にゲストとして招かれ、トークショーを行った。

ステージで質問に答える妹の馨さんと、それを聞く姉の千春さん

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 記念式典の後に行われたトークショーは、ロサンゼルスオリンピックに選手として出場し、日本レスリング協会の常務理事も務める馳浩さん(衆議院議員)をコーディネーターに、和やかな雰囲気で姉妹のレスリング人生についてのトークが繰り広げられ、参加したジュニア選手は2人の練習法など熱心に耳を傾けた。

 北京オリンピックでは、姉の千春さんが48キロ級で銀メダル、妹の馨さんが63キロ級で金メダルを獲得したが、その時の様子などを次のように語った。

――北京大会に向けて、どのようにモチベーションを高めたか?
「姉妹で金メダルを取るのが夢だった。現役でいられる時間を大切にしようと思い、必死に練習してきた」(千春さん)。「アテネで「姉妹で金」を達成出来なかった悔しさをバネに練習をした」(馨さん)。

――減量は大変?
「大会に向けて5キロは減量するが、寝ている間に減る体重まですべて計算している。北京では気温が思ったより高くなく、調整が狂いスタミナが落ちてしまった」(千春さん)。「減量はほとんどしない。パワーゲームはしないので、持久戦に持ち込むようにしている」(馨さん)。

――北京での試合ではどんなことを感じたか?
「足が動かず苦戦したが、前に進むことだけを考えた。4年間の練習を無駄にしたくなかった。馨の試合の時、自分が銀で申し訳ないと思って涙のあまり応援に声も出なかった。表彰台に上がって馨に『よく頑張ったね』と声を掛けられて、今までのレスリング人生が認められたと思った」(千春さん)。「相手と絡み合って足を取られてからどうするかを考えた。最後の30秒は体力的にもきついが、勝負をあきらめず攻め続けることを実践した」(馨さん)。

 姉妹はレスリングクラブのジュニア選手との組み手にも応じ、会場のレスリング指導者から出た「クラブの子ども達が世界を目指すにはどうしたらいいか?」との質問に対し、千春さんは「レスリングの楽しさを教えてくれた人のおかげで、長く続けてくることができた。楽しいと強く思う気持ちを持ち続けてほしい」と語り、馨さんは「勝ちたいという気持ちよりも、負けたくないという気持ちを持ち続けた」と自身の経験を振り返った。

 今後の人生について2人は「4月からカナダのカルガリーに渡る予定。リフレッシュしながら英語の勉強や今後のレスリングへの取組み方、生涯の進路についてもじっくり考える期間を持ちたい」と語った。

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