北京五輪メダリスト朝原さん、金沢で講演「日本が世界で戦うために」

抽選で選ばれた高校生との記念撮影に応じる朝原選手

抽選で選ばれた高校生との記念撮影に応じる朝原選手

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 金沢星稜大学(金沢市御所町)で9月26日に開催されたオリンピックフォーラムで、北京オリンピック陸上リレー銅メダリストの朝原宣治さんが「日本が世界で戦うために」と題して講演を行った。

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 同フォーラムでは北京オリンピックを振り返り、第1部で同大学准教授や講師がそれぞれ「スポーツ社会学の視点から見たオリンピック」「数字で見る星野ジャパン」「コーチングの視点から見た勝敗を決する1%」をテーマに講演。続いて行われた第2部の特別講演に朝原さんを招いた。同大学附属の高校陸上部生徒や県内高校生、一般の来場者など約千人が、朝原さんを一目見ようと会場にあふれた。

 陸上リレー日本チームが銅メダルを獲得したレースがスクリーンに映し出された後、客席後方から朝原さんが登場すると会場は声援に包まれた。○×クイズで朝原さんは「始めは走り幅跳びの選手だった(○)」「奥さん(奥野史子さん)には頭が上がらない(○)」などと回答し、会場の笑いを誘った。

 朝原さんは、走り幅跳びの選手としてアトランタオリンピックに出場した後、ドイツやアメリカでトレーニングをしてきた選手生活を振り返り、「ここまでやってこられたのは向上心を持ち続けたから」と話した。引退について、「アテネオリンピック後、32歳という年齢やモチベーションを保てず引退を考えたが、本当にこれでいいのかと自問自答し地元大阪で開催された『世界陸上』に向けて気力を取り戻すことができた。今は何の心残りもない」とさわやかに語った。また、世界という大きな舞台で戦うために、「自分は本能的に行動するタイプだが、困難があり悩んだときには『どうにか乗り切る』という強い気持ちを失わなければ、必ずいい流れになる」(同)と締めくくった。

 質問タイムでは多くの来場者が手を挙げた。「レース後、放り投げたバトンはどうなったか?」の問いには「日本陸連が探してきてくれた」と答え、「モチベーションを持ち続けるには?」には「モチベーションを保ち続けるのは難しく弱気強気の感情が錯綜(さくそう)するが、常に『走れないわけはない』と思っていた」と答えた。

 来場者の中から抽選で選ばれた2人が朝原さんと記念撮影を行った後、朝原さんには花束と石川県の工芸品の輪島塗蒔絵の万年筆が贈られた。

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