「デザインとアートの境界を探る」と題した見学会とトークイベントが4月20日、金沢工業大学五十嵐威暢アーカイブ(野々市市扇が丘)で行われた。主催は認定NPO趣都金澤。
五十嵐威暢さんは1970年代からデザイナーとして国内外で活動し、千葉大学、多摩美術大学、米国UCLAで教壇に立った。1994(平成6)年に彫刻家へ転身し、現在は北海道で制作を続けている。
当日は、同アーカイブ学芸員の野見山桜さんが、ポスターや企業ロゴなどのグラフィックデザイン、時計や電話機などのプロダクトデザイン、陶土や木材を使った彫刻など同アーカイブが展示している五十嵐さんの作品を「平面的なグラフィックでも立体的な彫刻でも、幾何学的な形をベースにしながらさまざまな発想でバリエーションを生み出しているのが一貫した特徴」と解説。参加者からは「立体を構成した表現が多いため工業的に感じる。情緒的な表現も少ないので国や文化を超えて受け入れられやすい」「シンプルな形を基本にしているのでデザインからアートまで幅広く展開できたのでは」という意見が出た。
同アーカイブの開館時間は10時~17時。ゴールデンウイーク・年末年始を中心に休館日がある。入館無料。