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金沢で「秋の加賀友禅まつり」初開催 ゲームや服飾専門学生とのコラボ作品も

加賀友禅会館で「秋の加賀友禅まつり」開催

加賀友禅会館で「秋の加賀友禅まつり」開催

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 「加賀友禅会館」(金沢市小将町、TEL 076-224-5511)で現在、「秋の加賀友禅まつり」が開催されている。

加賀友禅新作協議会受賞作品

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 主催は加賀友禅の作家や職人と産地問屋で構成する「加賀染振興協会」で、コロナ禍以降の外出自粛や冠婚葬祭の縮小で落ち込んだ着物の需要を回復させることを目的に初めて企画した。「加賀友禅コレクション展」として新作を含む着物や小物などを展示・販売する。通常、加賀友禅は呉服店などを介して販売するが、今回初の試みとして作家が着物を直売し、作品への思いを直接客に伝えながら、価格も抑えて提供する。

 同時開催の「加賀友禅 草木染展」では、加賀友禅作家の久恒俊治さんが北陸先端科学技術大学院大学(能美市)の研究者らと共同開発し、2019年度に「STI for SDGs アワード」で文部科学大臣賞を受賞した天然素材の染料を使った着物などが並ぶ。久恒さんは「地産地消をテーマに、尾山神社の菊桜から落ちた花、湯涌地区のユズや珠洲市のブルーベリーで売り物にならなかったものを原料とし、付加価値があるものに作り替えた。最新技術を取り入れはけを使って15秒で染められることと、化学染料とは違う自然な色味が出るのが持ち味。100%自然由来の染料は日本初なので、草木染加賀友禅として今後も発展させたい」と話す。

 「角帯展」では男性に向けた加賀友禅のコーディネートを提案しようと作家7人が染め帯を展示し、「金沢文化服装学院コラボ展」では金沢文化服装学院(金沢市清川町)の学生に加賀友禅の着物を提供して「本能」「花」「革新」をコンセプトに製作した衣装3着を展示する。組合ではスマホ向けアプリゲーム「アズールレーン」とのコラボとして、登場キャラクターをモチーフにした着物を2021年4月と今年4月に発表し同館で常設展示しているが、11月3日には三笠役を務めた声優の大原さやかさんを招き、着物を手がけた加賀友禅作家の鶴見晋史さん、志々目哲也さんとのトークショーも行う。同日には「Japanese Sake Bar 粋酔(いきよい)」(片町1)が3階喫茶コーナーで「日本酒飲み比べ」イベントを開き、加賀友禅作家が接客する。

 「第49回加賀友禅新作競技会」も併催し、加賀友禅最高賞を受賞した田上裕希子さんの振り袖「ゆずり葉」、加賀友禅賞を受けた太田昌伸さんの染め帯「バラ」など38点を展示・販売する。

 太田さんは「コロナ禍で着物を着る人や買い付けに来る問屋が減った今、作家たちも新しい挑戦をしていかなくてはいけないと感じた。組合としてさまざまな取り組みを行い、新しい加賀友禅のあり方を模索していけたら。祭りとして多くの人に楽しんでもらい、作家の作品に対する思いや技術などを知ってもらえれば」と話す。

 開場時間は10時~16時。会期中は入場無料。11月5日まで。

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