金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)が11月1日、イベント参加者や団体で予約した来館者の送迎のために運行している「アートバス」の車両とデザインをリニューアルする。
リニューアルは今回が初。2004(平成16)年の開館以来、町なかや県内広域を走行することで広報宣伝効果を図る狙いも兼ねて走らせてきた現バスは、コスタリカ人の画家でフェデリコ・エレロさんが手掛けたデザインを外装にラッピングしている。
現バスの老朽化に伴い17年ぶりで新たに導入する新バス「tower(BUS) 」は、同館のコレクション作家でもある現代美術アーティストの金氏徹平さんがデザインを担当。外装だけでなくバス車内のシートやカーテンにも作品をデザインした。
車内には、デジタルサイネージや音響装置なども組み込んだ。同美術館によると、「乗り物」ではなく「バスといういれもの」として、劇場やライブ会場としての利用もできる空間を作り上げたという。
新バスの導入を受け同美術館では、10月9日・10日の2日間、完成披露イベントと試乗会を行う。
9日の「完成披露イベント」では、実際に車内の装置を使って映像アーティストらがパフォーマンス、10日には、「アートバス試乗会」を行う。一般の来館者も乗車できる。10月9日から17日にかけては、関連プログラムとして同館内プロジェクト工房で「金氏徹平アーカイブス|これからのアートを記憶する方法」を開催し、360°VRを使ってこれまでの展覧会を体感してもらう取り組みなども行う。
新バスの運行開始は11月1日。同美術館広報の落合博晃さんは「学校や町会、施設単位など団体での来館時にはアートバスを予約して気軽に利用してもらいたい。リニューアルしたアートバスで乗車中も新しい美術館体験を感じてもらえれば」と呼び掛ける。
イベントの開催時間は、9日=13時~15時、10日=10時~16時(一般は13時から)。参加無料。