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21美の展示室が舞台に 役者・観客・舞台芸術一体の新演劇「消しゴム森」

ライブパフォーマンスの様子

ライブパフォーマンスの様子

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 「金沢21世紀美術館」(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で2月7日、全国的にも珍しい「生の演劇」をテーマにした展覧会「チェルフィッシュ×金氏徹平『消しゴム森』」が始まった。

【VRで読む】金沢21世紀美術館の展示室で開催中の新しい演劇『消しゴム森』

 演劇作家で劇団チェルフィッシュを主宰する岡田利規さんの演出で、現代美術作家・金氏徹平さんのコラージュ作品が床いっぱいに置かれた展示室11などさまざまな場所で、6人の役者によるライブパフォーマンスが繰り広げられる。「消しゴム森」という名前のように、消えていくモノとそれにより出来上がるモノが痕跡を残しつつ混沌(こんとん)と存在し、来場者を深い森に迷い込んだ感覚に陥らせるという。

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 岡田さんによると、東日本大震災の復興工事を目の当たりにし、人間中心の世界に疑問を抱いたことに着想を得たという。今回の展示では「脱人間中心主義」として、役者・観客・舞台美術や空間そのものの関係性を等価にすることで、環境そのものが演劇になることに挑戦している。

 展示室8では、初の試みとなる「彫刻演劇」が行われる。室内に置かれたモノが役者によるパフォーマンスで変化していくというインスタレーション。金氏さんは「作るプロセスそのものが演劇であり、作家がコントロールできない空間が作り出されるのが見どころでもある」と言う。

 キュレーターの黒澤浩美さんは「演劇といえど始点も終点もなく、どこをどのように見ればよいのか戸惑う方も多いと思うが、そのさまよう感覚自体を楽しんでほしい。ずっとこの場所に居続けることで自分自身が空間となじみ、演劇の一部となる。新たな鑑賞体験をしてもらえれば」と話す。

 開場時間は10時~17時(ライブパフォーマンスは11時~16時)。料金は一般2,300円で、入場当日に限り入退場自由。2月16日まで(2月10日は休演)。