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石川県産ホップで「防災ビール」発売 メタンガスで循環型防災拠点を

金澤ブルワリーが発売した「防災ビール」(左が社長の鈴森由佳さん)

金澤ブルワリーが発売した「防災ビール」(左が社長の鈴森由佳さん)

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 金沢のクラフトビール醸造所「金澤ブルワリー」(金沢市円光寺、TEL 076-201-0500)が8月23日、石川県立大学と共同で開発した「BOSAI BEER(防災ビール)」を発売した。

【VRで読む】円光寺の金澤ブルワリーが「防災ビール」発売

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 2015(平成27)年に創業し、オリジナルのクラフトビール「金澤麦酒」を製造販売する同社。自家培養の生酵母を使っているのが特徴で、ルビーロマンや加賀棒茶など石川県の特産品を使用した期間限定のビールも販売するなど金沢らしさに着目してのビール製造を行っている。

 石川県立大学(野々市市末松1)講師の馬場保徳さんと共に1年以上前から開発してきた「BOSAI BEER」には、同大学の畑で初めて取れたホップを使った。「ヴァイツェン」という白ビールで飲みやすく、生のホップを使うことですっきりとさわやかな味わいに仕上がったという。

 ビールの醸造には、東日本大震災の被災経験から、どこでも電力を作り出せるシステムを研究してきた馬場さんが10年がかりで完成させたという牛の胃液に存在する微生物を使って雑草からメタンガスを発生させ発電機で電力に変える装置を利用。ガスを発生させた後の発酵液は肥料になるため環境にもよいという。馬場さんは「この肥料で育てたホップを使うビールを手に取った人が『雑草から電気ができる』と知るきっかけになれば」と期待を寄せる。装置は、災害時の防災拠点に設置することで食事作りから携帯電話の充電まで行えるという。

 ビールの価格は数量限定で550円。金澤ブルワリーの工場とホームページで販売し、売り上げの一部をメタン発酵による防災研究に充てる。同社社長の鈴森由佳さんは「廃棄物からエネルギーを作るという研究に賛同してもらうことがビールを通して防災について考えるきっかけになればうれしい」と話す。

 工場の営業時間は9時~16時。平日のみ営業。

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