能登の春を告げる深紅の花、「のとキリシマツツジ」の展覧会が3月16日、しいのき迎賓館(金沢市広坂2、TEL 076-261-1111)で始まった。
NPO法人のとキリシマツツジの郷(さと)によると、のとキリシマツツジは、江戸時代に九州から北前船で持ち込まれた木が奥能登で大切に育てられ、長い年月の中で変化した種。鮮やかな深紅の色合いが特徴で、現在530本余りが確認されている。高齢化で継承が問題となる中、NPOでは保護育成活動に携わり、全国で展覧会を行うなどの広報活動も進めてきた。現在は若い世代も会員に加わるなど、新しい動きも出ているという。
同会場では、2019年から毎年展覧会を行っており、今年は3回目。4月下旬から5月中旬が見頃となるのとキリシマツツジを現地で楽しんでもらいたいと、石川県立大学で開花調整をした満開の古木の鉢を6点展示し、一足早く深紅の花を見ることができる。会場では苗を販売しており、植え付けや手入れのこつなども説明する。
昨年コロナの影響で中止となった「のとキリシマツツジフェスティバル」は、今年は感染対策を行いながら5月3日~5日、能登空港で開催予定。雪解けが早く進んだことから、奥能登のキリシマツツジの開花は例年並みの予想で、大型連休にはオープンガーデンも併せて楽しめるのではないかという。
同NPO理事長の大路篤夫さんは「のとキリシマツツジは石川の財産。多くの人に見ていただき、深紅の輝きを知ってもらいたい」と話す。
開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。今月21日まで。