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金沢で「国際漆展・石川2020」 大賞作「割木四段重箱」など79点展示

大賞を受賞した本間健司さんの作品「割木四段重箱」

大賞を受賞した本間健司さんの作品「割木四段重箱」

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 「国際漆展・石川2020」が現在、「石川県政記念しいのき迎賓館」(金沢市広坂)で開催されている。

【VRで読む】「国際漆展・石川2020」が開催されている「石川県政記念しいのき迎賓館」

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 12回目を迎える同展は1989(平成元)年に始まり、現在では「漆の新しい広がり」を考える国際的な公募展となった。今年は世界11の国や地域から215点の作品が寄せられ、厳正な審査を通過した79点の入賞・入選作品を展示する。

 漆を用いた新しい生活様式や新たな感性の提案を国内外から募り、漆産業を活性化させることを目的に開催。表現を主目的とした「アート部門」と、計画的な生産と流通が可能な商品ベースでの期待が持てる「デザイン部門」の2部門で審査を進めた。

 大賞を受賞したのは石川県挽物轆轤(ろくろ)研究所で学んだ、茨城県在住の本間健司さんの作品「割木四段重箱」。木の塊を鉈(なた)で割り、その割断面の表情を生かした4段重。力強さや自然でおおらかな印象と、作者の作為と無作為のバランスが秀逸と高い評価を受けた。

 金賞は、アート部門に大谷佳那子さんの「影の展翅(てんし)」。群がるチョウが今まさに飛び立つような一瞬を切り取った作品で、躍動感と造形力のレベルの高さから今後に期待が寄せられた。デザイン部門では、白川明美さんの「七々子塗盛器」。津軽塗の技法を全面に施した大ぶりの卓で、表面に施した細かなドット模様の繊細な美しさが印象を与えた。

 審査員も務めた県デザインセンターチーフディレクターの志甫雅人さんは「漆工芸の幅は広がっている。若い世代からベテランまでの作品は、アート性を追求するものから実用性や機能性を追求したものまで多岐に富み、今後の可能性に期待したい」と話す。

 開場時間は10時~18時(最終日は17時まで)。11月9日まで。巡回展の輪島展は、前期=11月21日~12月16日、後期=12月19日~来年1月17日を予定する。

後援申請20141009
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