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金沢21美に地元作家の巨大インスタレーション作品 九谷焼で「園林」を表現

美術家・高橋治希さんにとって過去最大級の作品となる

美術家・高橋治希さんにとって過去最大級の作品となる

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 金沢出身の美術家・高橋治希さんの個展「アペルト13 高橋治希 園林」が12月19日、「金沢21世紀美術館」(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)長期インスタレーションルームで始まった。

【VRで読む】金沢21世紀美術館で開催中の「アペルト13 高橋治希 園林」

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 個展形式で同館期待の作家を紹介する「アペルトシリーズ」の13回目。「金沢美術工芸大学」(小立野5)美術科油画専攻の教授も務める高橋さんは、焼き物で使う釉薬(ゆうやく)の輝きや土に、油画のオイルや絵の具の物質感との親和性を感じたといい、地元石川県のもので現代美術を制作しようと活動している。

 同展では中国の「園林」と呼ばれる庭の構図をモチーフに、九谷焼で制作したツタや約70種類の植物、昆虫や両生類などを組み合わせ、自身最大級となる高さ3.6メートル、長さ11.5メートル、幅6メートルの巨大インスタレーションを展示した。

 世界遺産「蘇州古典園林(そしゅうこてんえんりん)」などを代表する中国の園林は高い塀などに囲まれた閉鎖的な空間に、新たな自然や風景を作り出す。高橋さんもホワイトキューブの展示室という閉ざされた空間内に波打ち際から臨む山々と天を表現し、生命のエネルギーとはかなさを、見る人の情感に照らしあわせながら感じられるよう作り上げた。

 高橋さんは「正面から見る『障景』から、徐々に身体や視線を移動させ、自分自身の気分や人生と重ね合わせながら表と裏を同時に見るような感覚で作品を楽しんで。展示室の外にもトンネルを作り、窓の中をのぞくように作品の全体を見る『漏景』から迫りくるイメージも感じてもらえれば」と話す。

 2021年3月21日と4月17日にはワークショップとして、中国の磁器・徳化窯(とっかよう)の練花技法を応用した花を制作する。定員12人、参加費は5,000円。

 展示は2021年5月9日まで。開館時間は10時~18時(1月2日・3日、5月6日以外の金曜・土曜は20時まで。月曜(1月11日は開場)、12月29日~2021年1月1日・12日休場。

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