「出前館」(東京都)が地元企業と提携し、金沢市内の飲食店を対象に宅配代行サービスを開始して1カ月がたった。
出前館は2017(平成29)年から自社での配達機能を持たない飲食店でもデリバリーを始めるためのハードルを減らそうと、32都道府県で宅配代行をする「シェアリングデリバリー」を展開している。
シェアリングデリバリーは、出前館のサイトから注文を受けると加盟する飲食店へオーダーが入り、出前館の配達パートナーが商品を客の元へ届けるシステム。飲食店は注文されたメニューを調理するだけで、宅配は出前館の配達スタッフや提携する配達パートナーが行うため、人員や時間を割く必要がないという。
石川県内で広く出前館のサービスを展開する上で、北陸を中心に「大地のぶた」や「とりごこち」などを運営する「ビッグチョイス」(金沢市神野)が配達パートナーを担う。現在、地元飲食店やチェーン店など80店舗以上の飲食店でサービスが利用でき、配達可能エリアは現在金沢市近郊だが、今後はエリアを石川県全域に広げ、加盟店舗数も増やしていきたい考え。
出前館広報担当の濱本愛さんは「コロナ禍で飲食店は営業時間の短縮や席数の削減などを余儀なくされ、デリバリーやテークアウトの導入を検討しようにも配達人員や車などのコスト面で断念するケースも多い。シェアリングデリバリーを活用することで、少しでも飲食店の売り上げ貢献や応援になれば。デリバリーの需要のみならず、ワーキングマザーや介護などで忙しくしている方にとっても、助けになるような便利なサービスを目指していきたい」と話す。