石川県を代表する伝統工芸「九谷焼」の魅力を発信するオンラインミュージアム「KUTANism(クタニズム)」が10月24日に公開された。
「NEXT九谷 vol. II ―物語る色と形―」と題した作品展では、伝統技術を継承しながらも新しい境地を追求する43人の作家の作品を展示。さまざまな角度から撮影された画像と共に、作品づくりについてなどの作家のコメントも添え、鑑賞が身近なものになるよう工夫されている。作品はオンラインでの購入も可能(一部作家を除く)。
アンバサダー3人によるコンテンツ制作にも力を入れており、訪れた人が常に新しい情報を楽しめるよう、会期中は定期的に内容を拡充する。KUTANism全体監修を務める秋元雄史さんの「ライブラリ」では、九谷焼について深く知ることのできる連載記事や、作家との対談動画を配信。石川県出身のストリートフォトグラファー、シトウレイさんによる産地スナップ「フォトジャーナル」のほか、4年前に金沢に移住した映画監督、森義隆さんの制作したショートフィルムも11月1日から公開予定。
今年は新型コロナウイルスにより現地開催を断念したが、オンラインでどこまで九谷焼の魅力を伝えられるかに焦点を絞り、コンテンツの充実に力を入れたという。これまでは作家に焦点を当てられることが多かった企画内容を刷新し、卸業として九谷焼を支える現場なども見られるようにすることで、さまざまな視点で「産地の今」を知ることができるようにした。自然や人々の暮らしなども含め、九谷焼を産出する地域全体に光を当てることで、その歴史や価値をより鮮明に感じてもらいたいという狙いもある。
公開前日に根上総合文化会館タント(能美市大成町)で行われた発表会では、クタニズム実行委員会委員長で能美市長の井出敏朗さんが「九谷焼が大きく変わるチャンスと捉えている。オンラインで世界に発信することで、九谷焼のみならず産地の魅力を多くの人に知ってもらえれば」と話した。
12月20日まで。