金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)は、12月20日に始まった46日間の完全休館による改修工事を終え、2月4日にリニューアルオープンした。
【VRで読む】開館15周年を機にリニューアルした「金沢21世紀美術館」
改修されたのは大きく分けて4カ所。総事業費は約9,520万円。総合受付は、カウンターを拡張して発券機を3台から5台に増設し、多い時には90分待ちだったチケットを買い求める列の緩和につなげる。これまで分かりづらかったチケット売り場には大きな案内表示やモニターも設置。ベビーカーなどコインロッカーに入らない大きな荷物を預かるスペースも新たに設けた。
トイレは便座を全て温水洗浄機能付きに取り換え、おむつの交換台を新品に変えた。コインロッカーは、地下に新たに192個増設して合計477個とし、高さ70センチの大型サイズを新たに設置した。
1階の市民ギャラリーAの修繕では、壁面を塗り替え。地下1階の市民ギャラリーBは、調光機能付きのLED電球に取り替え、暗いという利用者の意見を反映した。
加賀友禅をモチーフに制作された人気の壁画も、クリーニング作業を終え、展示が再開された。島敦彦館長は「金沢21世紀美術館の節目の年。多くの人に親しまれている美術館として、さらに魅力を発信していきたい」と話す。
金沢21世紀美術館はリニューアル後の展示にも力を入れており、開館15周年記念「現在地:未来の地図を描くために」は、第3期が4月12日まで開催中。今回が初披露となるコレクションをはじめ、塩田千春さんやミヤギフトシさんなど世界的に活躍する作家の新たな作品や、子どもたちが犬の着ぐるみを身に着けて館内をパトロールする奈良美智さんによる「Pup Patorol」など過去に好評だった体験型の作品もそろえる。月曜休場(ただし2月24日は開場し、翌25日に休場)。鑑賞料金は一般450円。
空間レイアウトと人間の行動を映像解析による分析・調査結果も展示し、今後の館内空間の使い方などを模索する「lab.4 Space Syntax」は、会期を延長して6月14日まで無料ゾーンで開催。いずれも開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。