金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)の企画展「開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために」が9月14日に始まった。
【VRで読む】21世紀美術館「開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために」
現代美術を扱う同館は同時代に生きる作家の作品や活動を取り上げ、世界の「今」を見つめ、芸術表現の調査研究や展示公開を通じて、その豊かさや可能性を探り芸術的考察に取り組んでいる。
同展では未来を見据えた「今ここ」を「現在地」として、約4000点に及ぶ収蔵品の中から約50作家の作品約70点を紹介する。展示内容は「移動・横断」「非物質性」「協働・参加」「生成・生態」「日常性・個別性」「引用・複製」のキーワードから構成され、開館以来初公開や話題になった作品も並ぶ。
初展示となるのは、エリアス・シメ、ジュディ・ワトソンさんなど世界の第一線で活躍する作家の作品など。開発が進み産業構造の変化をもたらすゲームの世界を紹介する展示室や、ペドロ・レイエスさんによる作品「人々のための国際連合 武装解除時計」は世界中で起こる危機をどのように生き抜くのかをユーモアラスに問い掛ける。オラファー・エリアソンさんの作品「水の彩るあなたの水平線」は光・水・色・鏡を巧みに使いダイナミックに展示する。
同展にあわせ展示する体験型の「マクドナルドラジオ大学」は、演劇ユニット「Port B」を主宰する高山明さんが手掛ける。世界中のマクドナルドを大学に見立て、知のベルトを創出する壮大なプロジェクトで「金沢ならではの教授やプログラムを用意した。同館の建築特徴を考え、街とつながる水平で開放的な空間が特徴」と高山さん。各国で移民や難民と呼ばれる人々が教授を務め、哲学・歴史学・リスクマネジメント・建築など内容も多彩。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は、月曜(10月14日・28日、11月4日は開場)と10月15日、11月5日。入場料金は、一般=1,200円・大学生=800円・小中高生=400円・65歳以上=1,000円。12月19日まで。第2弾は10月12日から。