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金沢21世紀美術館でデザイナー粟津潔展 戦後復興期に活躍

企画展「粟津潔 デザインになにができるか」の会場風景

企画展「粟津潔 デザインになにができるか」の会場風景

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 戦後日本の復興期に活躍したデザイナー粟津潔の企画展「粟津潔 デザインになにができるか」が現在、金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で開催されている。

【VRで読む】金沢21世紀美術館で開催中の企画展「粟津潔 デザインになにができるか」

 没後10年となる粟津は「社会をいかにデザインするか」という視点を持ち続け、表現活動の先見性とトータリティが現在にも大きな影響を与えている。米軍の演習基地となり「海を奪われた九十九里浜の年老いた漁師」を描いたポスター「海を返せ」(1955年)、原水爆禁止のアピールや韓国民主活動を支援するポスターなど社会的なデザインにこだわった。

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 同館では2006(平成18)年から現在まで約3000件の作品と資料の寄贈を受けて調査を続け、2007年には1750点を一挙公開、その後も2018年まで全5回シリーズで企画展を開催した。同展にあわせ同館所蔵の全件をデータベースで公開し、一部の作品は画像のダウンロードもできる。

 同展の企画監修には長男の粟津ケンさんを迎え、粟津デザインの本質を紹介する。60年にわたり手掛けた作品を通して戦後のデザインを振り返るとともに、デザインが持つ可能性を探る。ケンさんは「父から受けた影響を今後どのように伝えていくか。若い世代に思いをつなげていきたい」と話す。

 会場には、粟津がデザインに向き合う原点となった原爆のリーフレットや、複製化されるための原画やイラストレーションを一点に集めコラージュした「グラフィズム3部作」(1977年)などが並ぶ。打ち捨てられた瓦を水子の魂に見立てた作品からインスピレーションを得た漫画「因果説話 すてたろう」の世界も紹介する。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休館(7月15日、8月12日、9月16日・23日は開場)、7月16日、9月17日。入場料は、一般=1,200円、大学生=800円、小中高生=400円、65歳以上=1,000円。9月23日まで。

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