寺とアートを融合させたイベント「オテラート金澤2019」が現在、金沢市内の寺院を会場に開かれている。
2010(平成22)年にスタートした同イベントは今回で10回目となり、記念として各寺院と交流のあるベテラン作家の作品を特別展示するほか、公募で決定した公式イメージキャラクター「ちりぬる様」「つりがねちゃん」をモチーフにした記念グッズをプレゼントするスタンプラリーも企画した。
今回は「春夏秋冬」をテーマに、地元の作家や美大生、会社員や小学生など60組がエントリーし、幅広い作品を展示するほか、ワークショップや講演会などを開催する。会場となるのは、前期(8月24日~9月1日)が浅野川地区の聞善寺(瓢箪町)・崇禅寺(同)・廣誓寺(昌永町)、東山地区の全性寺(東山2)・観音院(観音町3)・浄光寺(森山2)、後期(8月31日~9月8日)が小立野地区の天徳院(小立野4)・棟岳寺(石引2)・高源院(宝町)、寺町地区の興徳寺(寺町5)・常松寺(野町1)の11寺院。
実行委員会事務局を務める浄光寺では、仏画アーティスト・下橋晶さん、金沢美術工芸大学の島村海南江さん、会社員の一浦と大川さん、沈金師の芝山佳範さん、森山町小学校3年生、特別出展作家として陶芸家の福島武山さんが参加する。
森山町小学校3年生は浄光寺に縁のある「武士の献立」の主人公・舟木伝内由来の食材を描き絵付けした、九谷焼の皿を出品した。魚を描いて絵付けをしたという前田佑君は製作の感想として「楽しかった。九谷焼は人が思いを込めて大切に作って出来上がるものだと分かった」と話し、藤響君は「毎年きれいなものがいっぱい飾られて、僕もやってみたいと思った。自分の作品が展示されてうれしい」と笑顔を見せた。
浄光寺住職の藤任章さんは「本来はガラスケース越しにしか見ることのできない特別招待作家の作品と、若い作家や小学生の作品が同じ空間に展示されているのは貴重な機会。さまざまなジャンルの現代アート、伝統工芸品などの作品を、お寺という雰囲気がうまくまとめてくれるのもオテラート金澤の魅力。美術館で見るのとは違う感覚で、芸術を身近に感じてもらいたい」と呼び掛ける。
開場時間は13時~18時(土曜は20時まで、各期間最終日は17時まで)。入場無料(ワークショップなど一部有料)。