金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、若手作家の個展シリーズ「アペルト08 七搦(ななからげ)綾乃」が開催されている。
同館が若手作家を中心に個展形式で紹介するシリーズ企画「アペルト」。作家とキュレーターが作品発表の機会を共に創出することで、未来の創造への橋渡し的役割を目指す。国籍や表現方法を問わず、美術館での個展やグループ展への参加経験も少ないが、個展を開催するにあたり十分な制作意欲と今後の飛躍が期待できる作家を取り上げる。
七搦さんは鹿児島県出身で広島を拠点に活動するアーティスト。山や森などの雄大な自然や、虹や霧などのはかなく消える自然現象をテーマに、独自の解釈や見立てを交えて木彫作品で表現する。2016年に第10回資生堂art egg賞、2017年にTokyo Midtown Awardで準グランプリを受賞するなど、若手の登竜門とされる展覧会で近年、数多く評価されている。
会場には代表作と呼べる作品や、同展のために制作した最新作など10点が並ぶ。干からびた植物の形態と布をかぶった自身の姿を合体させたという作品「rainbow edge Ⅰ」は、一本の木から彫り出した。七搦さんは「見てはいけないような中身の部分を表現した。自由に想像しながら作品を見てほしい」と話す。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休場(7月16日、8月13日、9月17日・24日は開場)。9月24日まで。