2月5日から7日まで記録的な大雪に見舞われた金沢の夜に、昭和レトロな雰囲気あふれる新天地・金沢中央味食街(金沢市片町2)では、ひっそりと幻想的に営業が続けられていた。
金沢の片町繁華街の一翼を担う商店街の新天地は現在、小料理店やすし店・居酒屋・レストラン・たばこ店・菓子店・料理店・バー・レコード店・洋服店・古着店・カラオケと多彩な業種が展開されており、その一角にある「金沢中央味食街」は昭和ロマンあふれる屋台街として古くから地元民に愛され続けている。
大雪が降り続く6日の夜。普段は予約が取りにくい店などもキャンセルが相次ぐ中、同屋台街は雪に埋もれながら人影もないまま、ひっそりと営業を続けて妖気さえ感じさせるような趣を醸していた。
金沢の歴史や現代の文化活動を通して、新しい地域経済の流れを創ろうと活動するNPO法人「趣都金澤」で理事長を務める浦淳(うら・じゅん)さんは、自らのフェイスブックでこの日の夜の風景を「昨晩の新天地味食街は千と千尋の神隠し状態」と伝え、「この中にミシュラン一ツ星のすし屋とか、松任谷由美のいきつけで婦人画報に載った居酒屋がある不思議。これもザ・金沢か…??」とコメント。フォロワーからは「さすが新天地ですね!」「少し妖怪じみた力を感じる」「物語に出てきそうな風景!」「おおお(ハート)映画のセット、ワンダーランド状態」などとコメントがあり、それらに対する浦さんの返信が面白い。
「すごい景色です。思い出の一枚になりますね!」というコメントに対して浦さんは、「次にこんな雪景色になるのは何年後でしょうね。その頃は、もう、ないかもですねぇ」と、新幹線開通以降激変する金沢の街を少し案ずるように応えていた。