武蔵が辻のギャラリー「金沢アートグミ」(金沢市青草町、TEL 076-225-7780)で2月18日、高本敦基さんの展覧会「フレデリック・テイラー氏に花束を」が始まった。
高本さんは広島県出身のアーティスト。金沢美術工芸大学を卒業し、現在は岡山県を拠点に制作活動を行う。今回のタイトルにあるフレデリック・テイラー氏は20世紀初め、労働者管理の方法論「科学的管理法」を発案・提唱し、現代の大量生産・大量消費の基礎を作った人物。
高本さんは常々、大量生産・大量消費社会を強く意識し、今回はたくさんの同じ物が存在する現代社会を積極的に受け止めながら、人間らしい想像力や好奇心などを表現することを試みた。
会場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、6万個の洗濯挟みを使った大型作品「大量生産の瀧」。天井から床まで色とりどりの洗濯挟みを配し、色の組み合わせや並べ方、高さなどを不規則に変化させることで、大量の同じ物の中での個性を表現しているという。
このほか、ボーダーのTシャツや紅白の鉄塔など写真に写る1つのモチーフを画面いっぱいに繰り返し描いた作品や、ホワイトボードの上に磁石とペーパークリップを配した立体作品も展示する。
金沢アートグミの金谷亜祐美さんは「『科学的管理法』と聞くと難しく感じるが、シンプルかつキャッチーで遊び心あふれる作品ばかり。来場者の皆さんが自由に触れられる作品もあるので、気軽に楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~18時。水曜定休。入場無料。3月5日まで。
なお、同展覧会は金沢美術工芸大学と北國銀行の連携企画で、同行本店(広岡 TEL 076?263?1111)との同時開催。同店1階ロビーでモールを使った作品を展示する。開催時間は9時~17時。