藩政期の金沢城下の絵図上に現在の位置を表示し、現代地図と同時比較しながら街の散策が楽しめるスマホアプリが開発され、金沢で話題を集めている。
アプリの名称は「古今金澤(ここんかなざわ)」。地図アプリ感覚で古地図を操作しながら、操作する本人の現在位置を古地図と現代地図に同時表示して見比べができるほか、金沢旧市街の地名の由来や逸話などが細かく編さんされた「金澤古蹟志」が完全収録され、今と昔の金沢をその場で往来しながら街歩きが楽しめる。
開発したのは、iPhoneアプリの開発において評価の高い「エイブルコンピュータ」(金沢市安江町、TEL 076-214-8759)。同社の設立20周年を機会に「地域に貢献できるアプリの開発」という理念を掲げて、地元の公的機関や大学、民間の歴史家らの協力の下、アプリ化した。
「大好きな金沢の街を自分で散策しながら今回の『古今金澤』のような今と昔を行き来しながら楽しめるアプリが自分で欲しかった」と言う同社の新田社長。アプリのローンチと同時に地元の歴史ガイドのイベントに提供し、地元テレビの取材も入り、一気に話題となった。
フィールドを活用したアプリ「ポケモンGO」が世界的な大ヒットを飛ばす中、同じカテゴリーといえる同アプリの今後の展開を聞かれた新田社長は「現在の歴史情報空間の散策に加え、リアルの情報やサービスとの連動、ゲーム要素なども加えたエンタメ化などへと進化させながら、全国でコラボの希望がある地域へも技術を含めたこのフレームワークを提供していきたい」と意気込む。