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金沢出身の挿絵画家・山崎百々雄の企画展 司馬遼太郎など著名作家作多数

柴田錬三郎「英雄ここにあり」の挿絵

柴田錬三郎「英雄ここにあり」の挿絵

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 石川県立美術館(金沢市出羽町、TEL 076-231-7580)で現在、企画展「挿画の鬼才 山崎百々雄展」が開催されている。

【パノラマVR】企画展「挿画の鬼才 山崎百々雄展」の会場風景

 1913(大正2)年生まれ、金沢出身の山崎百々雄は石川県立工業学校(現石川県立工業高等学校)を卒業後に上京し、戦前に玉村北斗が率いる新日本画運動の「ほくと社」に参加。戦後は東宝演劇部で舞台美術を担当し東宝争議に参加するなど精力的に活動した。なりわいとして挿絵のほか日本画や油彩も制作する中、57歳という若さで他界した。

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 同展について「山崎さんの奥さまが残された作品をスーツケースに詰め、同館を訪れたのがきっかけ」と話す同館学芸員の前多武志さん。生涯で3000点を超える挿絵作品の中から235点、そのほか日本画3点と油彩画17点を展示する。

 小説家と二人三脚で山崎が生み出した挿絵画は、司馬遼太郎「風神の門」「梟(フクロウ)の城」、池波正太郎「さむらい劇場」、柴田錬三郎「英雄ここにあり」「決闘者 宮本武蔵」、吉川英治「全集」のほか、山田風太朗・大岡昇平など多数。

 一辺が20センチメートルほどの画仙紙に描き出された挿絵が並ぶ中、分かりやすく観覧できるよう同館では工夫を凝らす。池波正太郎「さむらい劇場」の挿絵にスポットを当て、「舞台装置でみせる」「心情をみせる」「光で演出」「構成でみせる」「風景にひきこむ」「女性美でひきこむ」「アクションでみせる」など7つの視点から、分かりやすく作品を解説する試みも。

 前多さんは「名だたる作家の作品を手掛けた山崎は舞台美術家の出身とあり、アイデアや構想、構図の立て方、筆の運びは秀逸。その点に注目して見てもらえれば」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~18時。観覧料は、一般=360円、大学生・65歳以上=290円)。高校生以下無料。7月18日まで。

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