金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)は1月2日、開館10周年を機に受付・監視スタッフのユニホームをリニューアルした。
2004年の開館以来、スタッフのユニホームをリニューアルするのは初めて。開館時にデザインを担当したのは当時、「イッセイミヤケ」のファッションデザイナーだった滝沢直己さん。同館の特性を生かしたオリジナルのデザインで親しまれてきた。
今回、新ユニホームのデザインを依頼したのは、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」デザイナーの皆川明さん。国内外の生地産地と連携し、素材や技術の開発に積極的に取り組む。海外のテキスタイルメーカーにもデザインを提供するほか、2011年には東京スカイツリーのスタッフユニホームも手掛けた。
同館ではコンセプトや建築の特性をよく理解し体感した上、同館との関わりを持つなどの観点で、デザイナーの選考を進めてきた。結果、2010年に同館で「ミナペルホネン」の企画展を行い、ワークショップや講演会などを通じて秋元雄史館長やスタッフとの交流の深い、皆川さんへの依頼を決めたという。素材にこだわる皆川さんのスタイルが金沢に根付く「もの作り」の精神と合うことや、若い世代に注目されるブランドを展開する点においても現代美術を扱う同館と通じることが決め手となった。
皆川さんは「美術館のこれまでの実績と国内外からの認知度の高さを踏まえながら、働くスタッフの喜びの姿が館内で光や風のごとく映るようなユニホームを作りたいと思った」とコメントを寄せる。資源の大切さを意識し長く着続けられるため、パッチワーク柄にデザインし、ほころびや擦れた部分はパッチワークを施すことで修繕しながら着つないでいく意図もある。織り生地をランダムに裁断することで、おのおののユニホームの雰囲気も異なる仕上がりとした。
開館時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。