昨年9月に発足した「金澤ウェディング協同組合」（金沢市古府、TEL 076-256-2242）が2月12日、日本三名園の一つ「兼六園」で婚礼プランを実施した。兼六園での婚礼は業界初の試み。

婚礼の会場となる兼六園内の「三芳庵」

　「金澤和婚（かなざわわこん）」と銘打つ同プランは、園内にある1875（明治8）年創業の料亭「三芳庵」（金沢市兼六町）を会場とした人前式スタイル。「庭園の鑑賞者に迷惑が掛かる」として、これまで園内（屋外）での挙式や披露宴は県により禁止されていたが、料亭を活用することでプラン成立にこぎ着けた。

　婚礼のスタイルが多様化する中、少人数での人前式が人気を集めている背景を踏まえ、茶道文化が根付く金沢らしく名園での「茶婚式」を打ち出した同組合。婚礼に携わるカメラマン・美容師・貸衣装・飲食業界から成る同組合のメンバーが連携することで、低価格プランを実現した。

　式を挙げたのは結婚6年目で2人の子どもを持つ輪島市在住の木村吉隆さん・智子さん夫妻。「結婚式を挙げていなかったので良い機会だと思った」と吉隆さん。親族ら約30人が出席し和やかな雰囲気で進められた式後、智子さんは「すてきな庭園を眺めながら、親戚のみんながお茶を飲む姿を見られたのが幸せ」と笑顔で話す。式に続き、一行は披露宴会場へと向かった。

　同組合では「県内の観光協会などと連携し、兼六園以外にも近郊の東山・湯涌・一里野などの観光地でウェディングプランを展開していきたい」としている。

　茶婚式の料金は10万円～(30人)。衣装・披露宴など希望に応じたプランの提案を行う。問い合わせは同組合まで。