伝統工芸作家の作業風景を見学できる工房兼ギャラリー「金澤町家職人工房 東山」(金沢市東山2、TEL076-252-5101)は4月8日、2代目の入居者となる金工作家の前田真知子さん(31)=同市在住=を迎え、リニューアルオープンした。
同工房は、市が利用されていなかった町家を借り上げて改装し、若手の伝統工芸作家や職人に3年単位で貸し出している。独立を後押しするのが狙いで、「初代」の金工作家、秋友美穂さんは2010年2月から今年1月末まで入居し、近隣の住民や観光客らに活動をアピールした。
「2代目」の前田さんは、2007年、金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科彫金コースを修了。以来、6年間にわたって自宅の一角で作品を制作してきた。2006年と2011年に日本伝統工芸展本展で入選している。
約40平方メートルの広さがある同工房内では、前田さんが連日、金づちとたがねを手に、加賀象眼(ぞうがん)の技術を生かして、アクセサリーなどを仕上げている。見学者には技法の一つ一つを説明し、金工の魅力を伝える「ガイド役」も務めている。
作品の展示販売もしており、価格は1,500円~。
前田さんは「工房兼ショップを持つことが夢の一つで、市のお力を借りて一歩を踏み出した。ここではじかにお客さまの言葉を聞けるので、経営的なことを勉強し、次へのステップにしたい」と意気込みを語った。
開放時間は10時~18時。見学は無料。