早世した金沢出身・女子美大生の作品展-父親が企画、開催実現

藤木仁美さんが衣装をまとって被写体となった写真

藤木仁美さんが衣装をまとって被写体となった写真

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 19歳で早世した金沢市出身の美大生・藤木仁美さんの作品展「藤木仁美1988-2007 requiem レクイエム」が2月22日より、suisei+Art(金沢市片町1 彗星倶楽部内、TEL 076-264-0088)で開催されている。

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 suisei+Artは自らもアーティストとして活動する中森あかねさんのバー「彗星倶楽部」の一角に設けられたアートスペース。若手アーティストを中心とした作品発表を展開しているが、ティーンエージャーの作品展は今回が初。会場には、仁美さんが繭をイメージして制作したバルーンスカート状の服飾作品のほか、デザイン画や詩集、ぬいぐるみなどの遺品が展示されている。仁美さんが被写体となった写真や仁美さんが撮影した写真も、時折、壁面に映し出される。

 仁美さんは石川県立辰巳丘高校を卒業後、東京の女子美術大学に進学し、芸術学部ファッション造形学科で服飾デザインを学んでいた昨年6月19日、うつ病に苦しめられ、自ら命を絶った。生前に書きためていた詩集からは、うつ病の症状にもがきながら、不安ややり場のない気持ちを言葉に託すことで病気と向き合おうとしていた成人前の一人の女性の姿が垣間見える。

 同展は、仁美さんの父親である藤木雅仁さんが企画し、中森さんに提案して実現した。「仁美を懐かしむ会でもなく、父としての自分の気持ちに区切りをつけるわけでもなく、こういう場で、仁美がやりたかった美術というものに区切りをつけてやりたいと思った」(雅仁さん)。

 雅仁さんも、うつ病と付き合いながら、日々を過ごしている患者の一人。仁美さんが、死の直前まで自分がうつ病であることを周囲に言い出せずに辛い思いをしていたことから、同展には、同じ病気に苦しむ人たちに対する「自分だけで病気のことを抱えないで」というメッセージや、うつ病に対する誤解を解きたいという願いも込められている。

 初日には、仁美さんの同級生らが次々と会場を訪れ、会場は献花に彩られた。営業時間は20時~翌1時。日曜定休。3月8日まで。

彗星倶楽部

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