「石川の四季を食する会~春の章~『麹(こうじ)の力再発見 発酵食品天国石川』」が4月30日、ANAクラウンプラザホテル金沢(金沢市昭和町)で開かれ、会員の料理人ら8人が参加者約200人に麹を使った新しい料理を提案した。
主催は、地元の食文化継承を目的に、県内の料理人や生産者、流通関係者、主婦らで組織する「石川四季の会」。
この日は、8人が知恵を絞って考案した8皿をコース仕立てにして提供した。塩麹が全国的にブームとなっていることもあり、レストラン「ぶどうの木」(岩出町)の米田岳人総料理長はビール酵母のぬか床に漬けた野菜のマリネとニンニク塩麹で漬け込んだ能登地鶏のハム、旅館「茶寮の宿あえの風」(七尾市)の左近一彦調理長はいしりあんをかけた和倉温泉(同)の源泉入り豆腐とサザエの麹漬けを用意。金沢国際ホテル(大額町)の鈴木慎一洋食料理長はヨーグルトソースをかけた能登豚肩ロースを作り、参加者をもてなした。
デザートは金沢市在住の麹料理研究家、小紺有花さん特製の甘酒を使った「麹ジャムのチョコスプレッド」と「フルーツマリネ」で、前菜から食後のスイーツまで発酵食品尽くしに。参加者は「普通の割烹(かっぽう)では食べられない料理ばかり」「家で挑戦してみたい」などと満足そうに話していた。
併せて、小紺さんと漬物製造・販売の「四十萬谷本舗」おかみ四十万谷直美さん、「松波酒造」若おかみ金七聖子さん、「ヤマト醤油味噌」おかみ山本雪子さんによる対談も開催。山本さんは「職人さんの仕事はすごく地道だが、発酵食品が再認識されたことで、すごく生き生きと働いている」とブーム到来を歓迎した。