石川県の伝統保存食「こんかいわし」を生産する食品加工会社8社が新たに開発したサバの漬物「みんなこんか 加賀こんか」が3月21日、数量限定で発売された。
県内のイタリア料理店で提供する、「こんか」を使った各店のオリジナルメニュー
「こんか」は魚のぬか漬けの別称。全国的には「へしこ」とも呼ばれ、主に北陸から山陰で生産されている。伝統保存食として地域に根付き愛されてきたが、現代の食嗜好(しこう)の多様化や減塩などの健康志向により、消費量は年々が減少しているという。
これらの状況を受け、ぬか漬け商品の消費拡大を目指し開発企画が進んだ同商品。金沢市金石・大野地区と白山市美川地区のぬか漬け製造業10社で組織する「石川県ふぐ加工協会」を中心に、「県酒造組合連合会」と「金沢イタリアンシェフオーナーズクラブ」が連携する「こんかスローフーズの会」が連携し、石川県中小企業団体中央会が協力した。
「塩辛い」とされてきた従来の商品を現代の食志向に合う「芳醇(ほうじゅん)な香りとまろやかな味わい」に仕上げた同商品は、国産のサバを、県独自の酒造好適米「石川門」の醸造過程でできた吟醸酒かすで漬け込むことで実現した。新たなターゲットに、「こんか」を食べたことのない人、減塩を好む人、ぬか漬け・かす漬けファンなどを幅広く見込む。
今回販売するのは、8社の商品を詰め合わせた贈答用の100セット。「酒かすをつけたまま、家庭用コンロやオーブンの弱火で表面にうっすらと焦げ目がつくまで焼き、身をよくほぐして温かいご飯にのせて食べるほか、お茶漬けやおにぎりの具材、酒のさかなとしても相性がいい」と開発メンバー。今後は、夏・冬ギフト商戦に向けた新商品や、スーパー向けのデーリー商品の開発も進める。
「金沢イタリアンシェフオーナーズクラブ」に加盟する県内のイタリア料理店10店では、「こんか」を使った各店のオリジナルメニューを提供する。「タベルナ・ピノリ」(金沢市大額)の「こんかとインカの目覚めの薪釜き」、「ピッツェリア サリーナ」(窪)の「こんかのシチリアーナ」、「トラットリア オルソ」(白山市博労)の「美川産こんかと野沢菜のペペロンチーノ」など。
価格は1セット3,980円。香林坊大和・めいてつエムザなどで販売する。