金沢美術工芸大学と同大大学院の卒業・修了制作展が現在、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で開かれており、来場者は世相への批判やユニークな発想から生まれた作品に見入っている。
視覚デザイン専攻の卒業生、修了生が手掛けたユニークな作品が並ぶ会場
日本画、油画、彫刻、芸術学、視覚デザイン、製品デザイン、環境デザイン、工芸を学んできた学生・大学院生合わせて174人が学習の成果を発表している。
このうち、大学院視覚デザイン専攻修士課程2年、橘健太さんの作品は「ニッポンのゴミ」。電信柱の周りに捨てられた元首相やアイドル、犬、ワニ、「志」を表し、「首相が短期間でころころ変わり、人気アイドルもわずかな時間でテレビから消えていく現代日本の世相」を風刺したという。それぞれ「回収不可」のシールが張られており、元首相には「もうちょっと使ってください」、アイドルには「ポイしないでください」、犬には「大事にするっていったでしょ」、志には「捨ててしまっていいんですか?」のコメントを添えた。
同大美術工芸学部デザイン科視覚デザイン専攻4年、宮沼良貴さんは「BAR Cocktail ice(バー・カクテル・アイス)」を出展した。骸骨や白雪姫、ヒート・アイランド現象に悩む都会のビル群をかたどった氷を浮かべたカクテルの模型を並べ、健康や環境への配慮を促す。
このほか、ピンク色のドレス型の甲冑(かっちゅう)や、梱包(こんぽう)材で作られたウエディングドレスなど華やかな作品もあり、来場した子どもたちも楽しそうに観賞していた。
開場時間は10時~18時。入場無料。3月1日まで。