金沢の玩具店「人形の堀川」(金沢市問屋町1、TEL 076-237-1155)は3月3日のひなまつりに向け、加賀友禅や九谷焼、加賀繍(ぬい)など石川の伝統工芸の粋を結集した豪華版ご当地ひな人形を発売した。
このひな人形は親王飾り「加賀三彩」シリーズ。お内裏さまとおひなさまには、同市在住の作家浅野富治男さんが手描きした加賀友禅の着物を着せ、九谷焼の陶板や加賀繍、加賀雁皮(がんぴ)和紙、尾山神社(尾山町)の神門をイメージしたステンドグラスなどをあしらったついたてびょうぶで彩りを添えた。輪島塗と山中塗の三宝・高杯、水引で作ったタチバナと桜の木を組み合わせることもできる。
おひなさまの十二単(ひとえ)は、袖に昨年の「なでしこジャパン」の活躍を受けてデザインされたナデシコやアヤメ、藤などが描かれており、お内裏さまも胸元やそでに花や小づちの模様があしらわれている。ついたてびょうぶは15種類をそろえた。
同店では5年前、手描き加賀友禅のひな人形を手掛けたのを機に、地元の伝統工芸をもっと採り入れようと考え、県内在住の各分野の作家に依頼して同シリーズを作り上げた。堀川善次専務は「どの作家も日頃は自分がメーンで作品を作っている人たちだが、今回はわき役であることを理解して、全体を引き立てるデザインを考えてもらった」と話す。
価格は一般的な親王飾りを上回る16万円~30万円。売れ行きは好調で、「本物志向で、置き場所に困らないコンパクトなサイズを求める若い夫婦らが買い求めている」という。
営業時間は10時~19時。