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めいてつ・エムザに屋上菜園-地上35メートルで金時草や大根栽培

プランターに野菜を植える利用者

プランターに野菜を植える利用者

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 めいてつ・エムザ(金沢市武蔵町、TEL076-260-1111)は10月1日、地上約35メートルの高さの9階屋上に菜園「エムザエコファーム」を開設した。オープン当日は利用者を対象にした農業学校も開講し、県内から集まった約50人が無農薬・無化学肥料農法についての知識を深めながら、野菜づくりに取り組んだ。

プランターにニンニクを植える利用者

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 菜園は屋上約800平方メートルのうち約300平方メートルを使い、プランター120個を設置。「エムザエコファーム」と記した看板を掲げた。9階屋上は約30年前に子ども向けプレイランドが閉園して以降、ほとんど使われていなかったが、定年退職で時間に余裕のできた熟年層や親子連れ、食にこだわりを持つ主婦らが栽培と収穫を楽しむ場として生まれ変わった。

 まちなかの屋上という場所柄、農薬や化学肥料が風で飛散して周辺に迷惑がかからないよう、宮城県石巻市の「松本塾」の協力を得て、これらを一切使わない「松本農法」で野菜を栽培する。農薬の代わりに用いるのは匂いの強いハーブやネギで、野菜の近くに植えることで虫が近寄らなくなるという。

 来年1月末までの第1期の利用者は、申し込みのあった県内在住の20~70代までの58人。初日はこのうち約50人が家族らと共に参加し、加賀野菜の金時草やニンニク、ハーブのレモングラスなどを植えた。既に種まきをしてあった大根の葉の間引きも行った。

 今後はローテーションを組んで2日に1回、水やりを行い、野菜の成長を見守る。収穫は随時行い、引き続き別の作物を植えるという。松本塾による農業学校「アーバン アグリカルチャー スクール」も月1回開き、利用者は「松本農法」での栽培技術を学ぶ。

 金沢市の会社員、野村敬一さん(47)は長男空吾君(5)、長女きさらちゃん(3)らと共に一家4人で来場した。「家族の思い出にしようと思って参加した。ちゃんと育ってくれればうれしい」と収穫の日を心待ちに。同市の主婦(75)も「とても楽しみ。無農薬で作った野菜で手料理を作り、家族に『私が作ったの』と言いたい」と声を弾ませる。

 テープカットを行った干場勝信店長は「以前から屋上を地域の人に集っていただく場所にしたいと考えていた。輪が広がって、まちなかの憩いの場になるよう願っている」と期待を込める。

 第2期は来年2月からの1年間で、1月ごろに利用者を募集する。定員は100人で、料金は1カ月3,000円。

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