路線バスの最終便よりも遅い午前0時に金沢市香林坊を出発する学生用バスの運行が9月16日、始まった。郊外の大学に通う学生たちを市中心部に呼び込むための市の施策の一つで、運賃も無料にした。土曜・日曜限定で、11月末まで夜の市内を走る。
バスの名称は「まちなか夜間学生バス」。運行する市によると、金沢大学行きの最終便が香林坊を出発するのは平日、土曜とも23時前後で、金沢星稜大学に向かうバスは20時前後とさらに早い。このため、より出発時間が遅いバスを走らせることで、繁華街のにぎわいづくりに貢献しようと考えたという。市は「学生のまち推進条例」を制定しており、同バスはその事業の一環。
ルートは香林坊を出発し、金沢美術工芸大学から金沢大学、金沢星稜大学方面へと向かう1コースで、貸し切りバスを利用する。初年度の昨年は金沢工業大学の学生を対象にした南部ルートも走らせたが、利用人数が少なかったため今年は取りやめた。
昨年はまた、市中心部で学生がかかわる大きなイベントが行われた7日間だけ運行し、52人が利用したが、今年はより分かりやすくするため、毎週土曜・日曜の定期運行に変更した。
25日は金沢大学と富山大学の学生14人が乗車した。大学からのメールや学内の掲示板、コンビニエンスストアの店頭で運行を知った人が多かった。初めて利用する金沢大学人間社会学域3年、藤井誠さん(20)は「合同学園祭で模擬店の手伝いをした後、飲み会に出ていて、このバスで帰ろうと思っていた。帰りの足があるのはありがたい」と話していた。
乗車には学生証の提示が必要。