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竹久夢二の直筆色紙「どれみふぁそれ」、金沢湯涌夢二館で初公開

初公開された「どれみふぁそれ」(金沢湯涌夢二館提供)

初公開された「どれみふぁそれ」(金沢湯涌夢二館提供)

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 金沢湯涌夢二館(金沢市湯涌町、TEL076-235-1112)で現在、美人画で知られる画家で詩人の竹久夢二(1884~1934)が日本画の手法で少女を描いた色紙「どれみふぁそれ」が初公開されている。

竹久夢二が知人の娘のために描き、プレゼントした色紙「どれみふぁそれ」

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 「どれみふぁそれ」は桜散らし模様の紺地の着物を着て赤い帯を締め、薄紫色の大きなリボンで髪を結わえた美しい少女が、憂いを帯びた瞳で手に持ったプラタナスを見つめている姿が描かれている。33歳の夢二が同居を始めたばかりの彦乃と次男、不二彦を連れて湯涌温泉を訪れた1917(大正6)年、金沢に住む知人の娘から頼まれて描き贈ったものとみられる。大きさは縦約32センチ、横約28センチで、彫塗(ほりぬり)など、日本画の技法が使われている。

 色紙は夢二ファンで、自らも日本画を学んでいたこの娘が成長して結婚した後も大切に手元に置かれ、これまで公開されることはなかった。しかし、昨年9月、母親の死後10年を機に、静岡県に住むこの娘の息子が同館に寄託した。

 自宅でもほとんど飾られたことはないといい、傷みや汚れはほとんどなく、当時の色遣いをそのまま見ることができる。来場者はかれんな少女の姿にじっと見入り、幼いファンの願いに応えた夢二の優しさを感じ取っている。

 太田昌子館長は「大正5、6年は夢二が生涯で一番幸せだったかもしれない、夢にあふれた時期だった。それにしても、なぜ『どれみふぁそら』でなく、『どれみふぁそれ』なのか。分かる方がいらっしゃったら、教えていただきたい」と話している。

 開館時間は9時~17時30分。館内の観覧料は、一般・大学生=300円、65歳以上=200円、高校生以下無料。9月25日まで。

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