金沢商業高校ツーリズムコースの2、3年生31人が5月8日、兼六園(金沢市丸の内)で初の観光ガイドを務め、東京から訪れた修学旅行生に見どころを紹介した。
顔合わせで中学生の名前を確認する金沢商業高生(右から1人目と2人目)
同コースは観光業の歴史や現状を学び、国家資格である国内旅行業務取扱管理者の取得を目指す課程。以前は机上の学習が中心だったが、案内を通じて生徒たちに教室内では得られない生の体験をしてもらおうと、観光ガイドを授業に採り入れた。
修学旅行に訪れたのは、東京都板橋区立赤塚第二中学校の3年生156人。金商の生徒は2~4人の班に分かれ、それぞれ中学生6~7人を2回にわたって引率した。徽軫(ことじ)灯籠以外の案内箇所の選択は各グループに任されており、それぞれが金沢弁など石川の方言を多用した原稿を用意して本番に臨んだ。金沢観光ボランティアガイド「まいどさん」も各班に随行した。
生徒会長で3年の安嶋真澄さんと、同じく3年の橋本舞香さんは中学生7人を連れ、霞ケ池や根上松、一つの花が300枚の花びらで彩られているケンロクエンキクザクラ、参勤交代中の交通の最難所を再現した親不知(しらず)などを巡った。霞ケ池では、安嶋さんが唐崎松と蓬莱(ほうらい)島が鶴と亀をかたどっていると説明し、中学生たちは驚いた様子で写真に収めていた。根上松についても、商業高校の生徒らしく「『値(段)が上がる』とかけて商売繁盛を意味しているげん」と笑顔で解説した。
中学生たちは気さくな金商生の態度に、すっかりリラックスした様子。赤塚第二中3年、平田佳菜さんは「すごくわかりやすくて聞きやすかった。蓬莱島は本当に亀に見えて、びっくりした」と満足そうに話していた。
安嶋さんは「とても楽しかった。将来はお料理屋さんで働いて金沢の良さを伝えたいと思っているので、いい予行演習になった」と観光ガイド役を満喫した様子。竹川晃代教諭は「次は中国や台湾からの旅行者を中国語で案内したい。生徒たちは授業で中国語を学んでいるが、もう少し時間がかかりそう」と話す。