白いギャラリー2階に黒いギャラリー、日本家屋の味わいを生かす

日本家屋の味わいを生かし、黒を基調にした「トネリコの枝」の展示空間

日本家屋の味わいを生かし、黒を基調にした「トネリコの枝」の展示空間

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 壁も床も真っ白なギャラリー「トネリコ」(金沢市池田町、TEL 076-231-2678)の2階に11月3日、壁も床も真っ黒なギャラリー「トネリコの枝」がオープンする。オープニング企画として同日より、陶芸家・山下一三さんの個展が開催される。

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 1階の「トネリコ」は築70年の民家を開放感にあふれた真っ白な空間に改装し、2年前にオープンした。2階は手つかずだったが、同ギャラリー代表の細川伸子さんが「日本家屋の陰影や奥行きを感じられる空間で作品の行間を楽しむ展示を行いたい」と、1階とは性格の異なるギャラリーとして「トネリコの枝」の開設を計画した。

 2階の展示空間は約20畳分で、イメージコンセプトは「宣教師が日本に来たときに、日本人では予想がつかないような形で住みやすく日本家屋を改装した」(細川さん)空間。「トネリコ」の設計を手がけた建築家・平口泰夫さんが2階部分も担当。柱や梁(はり)、天井の味わいはそのままにして和のテイストを生かした。壁も床もふすまも黒一色で、自然光もさえぎられているため、1階とは陰陽の対照をなす空間が生まれた。細川さんは「今後、1階はポップな作品、2階はわび・さびを感じられる作品を発表する場にしていきたい」と話している。

 山下さんは加賀市在住で、独自の発想に基づいたユーモラスな造形の九谷焼作品が持ち味。今回の企画展では焼き物の新たな可能性を探り、「器から脱皮し、『焼き物で楽しむ』をテーマに作品制作に取り組んだ」という。ギャラリー入口では水琴窟(すいきんくつ)が出迎え、展示室内では、明かりの揺らぎを楽しめるヤジロベエのような燭(しょく)台や料理皿としても使えるゲーム盤などを展示する。酒などの液体を注ぐと象の鼻から液体が出てくる容器は、ペルシャの「リュトン」に着想を得たもので、花器としての使い方も提案。「焼き物でもこうした使い方が出来るということを知ってもらい、ギャラリーでの時間と空間を楽しんでほしい」(山下さん)。

 同ギャラリーの営業時間は月~土曜=11時~18時30分、日曜=12時30分~18時30分。水曜休廊。同展は11月11日まで(7日は休廊)。

ギャラリートネリコ磁器工房白象(山下一三さんの工房)

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