金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)の「シアター21」で8月21・22日、ダンスカンパニー「金魚」による新作「HEAR」の公演が行われる。
同ダンスカンパニーは、ダンサー・振り付け家の鈴木ユキオさんが率いるユニット。振り付け家の登竜門として知られる「トヨタコレオグラフィーアワード」で2008年グランプリを受賞した鈴木さんが、独特な木炭画アニメーションで世界各地の映画祭でも活躍する辻直之さんと、即興と楽曲の境界を消し去るような独創性に満ちたアプローチを行う音楽家・内橋和久さんとともに新作に挑む。
リアルで生々しい身体表現にこだわり、ドキュメンタリーのような即興性が特徴のダンスで注目を集めてきた同ダンスカンパニーは昨年6月、同館で初の試みとして2週間の「レジデンシープログラム(滞在制作)」を経て新作「言葉の縁(へり)」を発表した。
2回目のレジデンシープログラムとなる今回の公演では「ダンスを超えたダンス」を目指し、「言葉の持つイメージ、音、身体性にもっと入り込んでいきたい」(鈴木さん)と、3人のアーティストが「自由の世界」を表現する。メンバーと舞台スタッフは今月9日に金沢入りし、会場でけいこを行うなど準備を進めてきた。同館はシアター設備や機材、宿泊場所などを提供した。
鈴木さんは「これまで追求してきた『身体でどうやって見せるか』『存在の強さ』に加え、アニメーション・音楽・照明・言葉などのベクトルをプラスして、もっと空間として『身体』を見せていきたい。『HEAR(=聴く)』とは問い続けているわたしそのもの。舞台上では、ダンサーの一人ひとりが問い続け、何かに耳を澄ましていると思う。その場を多くの人と共有できれば」と来場を呼びかける。
開演は、21日=18時、22日=15時。料金は3,000円(前売り=2,500円)。