鉛筆画家・木下晋さんの日記展-金沢美大アートギャラリーで

鉛筆画家・木下晋さんの日記を作品化して公開する「もうひとつの木下晋-ヒエログリフダイアリー」展

鉛筆画家・木下晋さんの日記を作品化して公開する「もうひとつの木下晋-ヒエログリフダイアリー」展

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 金沢美術工芸大学が運営する「アートギャラリー」(金沢市片町)で現在、同学大学院専任教授・木下晋(すすむ)さんの展覧会「もうひとつの木下晋-ヒエログリフダイアリー」展が開催されている。

木下晋さんの日記

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 木下さんは1947(昭和22)年富山県生まれ。極貧の幼年時代を過ごす中で非凡な才能を発揮し、16歳で描いたクレヨン画が史上最年少で自由美術展に入賞した。その後独自の鉛筆画の世界を拓き、9Hから9Bまでの鉛筆を駆使し、精緻(せいち)なモノクロームの人物像を描き続けている。モデルの多くは、無一文で放浪の旅に出た木下さん自身の母親や、「最後の瞽女(ごぜ)」といわれる小林ハルさん、ハンセン病の元患者など、過酷な人生を生きた老いた人々だ。

 木下さんは80年代から「ヒエログリフダイアリー」として市販のポケット手帳に毎日の出来事を微細な文字でつづっており、今回の展覧会ではその日記を1年ごとに集積したシートを作品として公開している。目を凝らすと木下さんの日常が克明に記録されているのが読み取れ、木下さんの生きた歴史や時間がもう一つの造形世界として感得できる。

 同ギャラリーは、「質の高い展覧会を開催することを通して美術工芸やデザインの世界を市民に向けて発信していくこと」を目的に、同大学が市中心部のファッションビルに今年2月に開設したもの。今回は第2弾の展覧会となる。

 開催時間は10時~18時。入場無料。休館日はラブロ片町休業日に準じる(水曜不定休)。6月13日まで。

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