金沢でフィンランドのライフスタイルを紹介-初のイベントに650人

リッカ・バッカラさんのトークショー

リッカ・バッカラさんのトークショー

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 「北欧はじめの会」(金沢市)は2月7日、金沢市民芸術村(金沢市大和町1)でフィンランドのライフスタイルを紹介する初のイベント「Feel Finland Kanazawa2009」を開催した。会場となった同村内の古民家「里山の家」には、北欧の文化に関心を寄せる約650人が終日途切れることなく訪れ、フィンランドの文化に親しんだ。

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 同会代表の関敦子さんと村上まりさんが、冬場の生活が長いフィンランドと北陸は、気候や人柄が似ている点に注目。「北欧の文化を金沢で紹介し、楽しいライフスタイルの提案ができれば」(関さん)と企画した。同会発足に際し、留学経験のある人など北欧に縁や興味を持つ15人がスタッフとして集まった。

 会場では、フィンランドで教師をしていたリッカ・バッカラさんのトークショーや同国の家庭料理を楽しむパーティー、テーブルウェア・書籍や写真の展示など、さまざまな角度から幅広くライフスタイルを紹介。訪れた人は古民家でいろりを囲みながら、北欧の絵本や写真集などを楽しんだ。

 トークショーは「教育とライフスタイル」をテーマに、フィンランドで10年間小学校教師を務め、現在は2児の母として東京で生活するリッカさんが、自身の経験談を交えながら、自国と日本文化を比較し分かりやすく説明した。

 フィンランドでは「平等に教育を受けられることが基本方針」(リッカさん)で、「小学校から大学までの教育費は無料。25%以上の高い税金は無駄に使われていないという国民共通の認識がある」とも。小国だけに「教育は国力・財産」という考え方が根底にあり、世界に通じるコミュニケーション力を高めるため小学校3年から外国語、4年から第2外国語を学べるシステムになっている。

 国際的な学習到達調査「PISA(ピサ)」で毎年好成績を維持するという同国の教育方法の秘訣(ひけつ)として、各校にスクールカウンセラー・精神科医・スクールナースなど専門家から成るサポートチームを設け、週に1度のミーティングを重ねて生徒のケアに当たることや、私学や塾も存在しないため公立学校の教育で完結できるように教師の資質が高く保たれていることなどが挙げられた。9年の義務教育を終えると、進路として職業訓練校か高校を選ぶが、その後いつでも転校することができるため、自分の適性に応じ受ける教育の選択が可能になるなどの取り組みも紹介された。

 パーティーでは、東京でフィンランド料理教教室やさまざまな北欧イベントを展開する「Tavatabito」から調理スタッフが駆け付け、フィンランドの家庭料理7品を振る舞った。展示スペースには、「Iittla」「artek」などの有名ブランドやファブリック「marimekko」の商品を並べ紹介したほか、北陸製菓から「ムーミンビスケット」が来場者に配られた。

 関さんは「来場者は目標としていた100人をはるかに超える650人、関心の高さに驚いている。今後はフィンランドに限らずスウェーデンなど北欧の国を取り上げるこのようなイベントを年1回開催できれば。文化・教育・スポーツ・デザインなどジャンルにこだわらず自由に楽しく提案していきたい」と話す。

後援申請20141009
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