
金沢仏壇の若手職人と作家が参加する企画展「再生と復活」が2月19日、「金沢・クラフト広坂」(金沢市広坂1)で始まった。
主催は金沢仏壇商工業協同組合青年部。2015(平成27)年から毎年「現代の金沢仏壇と手仕事展」として、若手職人が新しい世代にも受け入れられやすいミニ仏壇やアクセサリーなどの展示・販売を行ってきた。
今回初めての試みとして異業種のアーティストや作家とコラボし、総勢10人が参加。70作品以上が会場に並ぶ。
金沢仏壇青年部部長で塗師(ぬし)の塗師岡聖治さんは「能登半島地震で被災し、仏壇の処分に関する問い合わせが急増した。話を聞くと、先祖代々受け継いできたものなので一部だけでも残したいという声も多い。今回、金沢仏壇の職人だけでなく多方面のアーティストとコラボすることで、廃棄される仏壇を使った新たな可能性を模索しようと、コンセプトを再生と復活とした」と話す。
会場内には蒔絵(まきえ)が施された古い仏壇の戸板を装飾として取り入れたテーブルや、瓔珞(ようらく)をサンキャッチャーとしてリメークした作品も展示する。塗師岡さんは遺骨や指輪などの遺品を中に納めてインテリアとしても飾れる「骨壺位牌(こつつぼいはい)」を、塗師の池田拓朗さんは3Dプリンター製の「3D厨子(ずし)」や正方形の小型仏壇「キューブ」を、塗師の山田晃輔さんはパステルカラーのミニ仏壇「彩」を出品するなど、単身世帯やマンションでも取り入れやすい作品も並んだ。
九谷焼作家の高辻あいさんは九谷焼の仏具を製作し、作家のつなさんは処分されるふすまにタロットカードのイラストを描いた。画家の倉林雅幸さんはペットをしのぶための香炉や香立てなどをオーブン陶土で作り、「性格も色もばらばらで個性あるペットたちを表現し、温かみや手くせを残した。『うちの子』と似ている一匹を見つけてほしい」と話す。
開場時間は11時~17時(最終日は16時まで)。2月25日休場。入場無料。3月2日まで。