金沢文化服装学院(金沢市清川町)の生徒による卒業・進級展が1月31日から、「ユナイテッドアローズ金沢店」(香林坊2)に隣接するスペースで始まった。
同展はこれまで学院内のギャラリーなどで行ってきたが、今回は「BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025」と題し、同店の協力で商業施設「香林坊東急スクエア」内で展開する。ユナイテッドアローズが学生と協力してポップアップイベントを開くのは初めてという。同店ストアマネジャーの村松拓さんは「学生たちのサステナブルに対する取り組みや作品に対する思いに共感した。次世代を担う若い感性と、ファッションの楽しさを一緒に伝えたい」と話す。
参加するのは、アパレル造形デザイン科3年生とファッションビジネス科2年生の19人によるミリタリーアイテムのリメークブランド「Meaning(ミーニング)」と、ファッションビジネス科1年生の7人によるリメークシャツブランド「ARez(アレ)」。いずれも縫製工場「ミヤモリ」(富山県小矢部市)のリペア事業「Reforme(リフォルメ)」との産学連携プロジェクトとして立ち上げた。
「Meaning」は米軍などで使用された軍服をベースにデザインしたコートやパンツ、スカートなど20点を展示し、販売も行う。工場への発注や価格設定にも携わり、製品化するまでの過程を学んだ。ファッションビジネス科2年の尾山萌夏さんは「実際に使われていた古い生地を、今を生きる私たちが新しいものにデザインし直すことに意味を見出し、ブランド名を付けた。北陸の工場と学生が連携した作品には、人と人とのつながりや地域への愛も込められている」と話す。
「ARez」はストライプ柄のシャツをバックルやリボンなどで「拡張」した作品21点を展示。ファッションビジネス科1年の太田まといさんは「ストライプには直線や前に進むというイメージがある。シンプルなシャツに新たな視点を付け加えることで、前に進んでいく人の背中を押すというコンセプトを表現した」と話す。5月には「HARMONIE(ハルモニー)」(竪町)で販売する。
開催時間は10時~20時。入場無料。2月16日まで。