サザンオールスターズの26年ぶりとなる石川公演に合わせ、北陸チャリティーレストランが1月10日から12日、石川県産業展示館(金沢市袋畠町)の飲食スペースに出店した。
サザンオールスターズの全国ツアーは6年ぶりで、LIVE TOUR2025「THANK YOU SO MUCH!!」と題し、地震や豪雨被害を受けた地域を元気づけようとツアー初日に同会場を選んだ。会場には能登復興ブースを設け、輪島出張朝市や写真展などを開催したほか、飲食スペースとして被災地を支援する団体「北陸チャリティーレストラン」がライブ前日の1月10日から最終日の12日まで出店した。
同団体は、2016(平成28)年の熊本地震をきっかけに設立され、能登半島地震発生直後の2024年1月2日から、被災した能登地域の飲食店と共に炊き出しやイベント出店などを行っている。羽咋市のフレンチ「ラ・クロシェット」や七尾市の日本料理店「一本杉川嶋」など、「ミシュランガイド北陸」に掲載されている店も参加している。
12日は、いまだに営業を再開できない店を含め、七尾市や珠洲市などの飲食店11店が出店。サザンファンでにぎわった。出店した七尾市和倉温泉の洋食店「レストラン ブロッサム」は「能登カキと能登野菜のスープパスタ」を提供。シェフの黒川恭平さんは「和倉温泉の復興もまだまだの状況だが、今回のライブで初めて石川県を訪れたという人もいて応援の言葉をたくさんもらった。SNSのフォロワーも増えた」と話す。
同団体のまとめ役で、「御菓子司(おんかしつかさ) 松葉屋」の社長・那谷忠之さんは「サザンファンはとても優しく、温かい声をもらった。被災して、まだ営業できていない料理人も多い。料理を喜んでもらえることが何よりうれしい。たくさんの人に味わってもらえる機会はとてもありがたく、ライブのタイトルのように感謝ばかりの3日間となった」と話す。