石川県デザイン展の受賞作品展示が11月21日~24日、しいのき迎賓館(金沢市広坂2)で行われた。
石川県デザインセンターなどが、県内の優れたデザインを紹介しようと毎年行っている同展示。プロを対象に公募するコンペティション部門は約30点、県内のデザイン系の学校から推薦された作品から選抜する学生部門は約20点の作品を展示した。
学生部門金賞を受賞した、金沢情報ITクリエーター専門学校 WEB・グラフィックデザインコース2年生の中村心春さんの作品「morinji(モリンジ)」は、自然薯(じねんじょ)のブランディングで、1年生の期末に行われる進級制作で提案したものを、県デザイン展に向けてブラッシュアップした。
中村さんによると、学校で出された課題のテーマが「地域活性化」のため、実家がある金沢市森本の特産品を調べ、自然薯の産地であることをその際改めて知ったという。「生産量が少ないこともあり、あまり知られていない。もっと多くの人に知ってもらいたいと思って提案した」と話す。中村さんはその後、「森本の自然薯」を意味する「morinji」のネーミングとロゴ、自然薯のうねった形をかたどったビジュアルを考案。健康志向の若年層に受け入れられるようシンプルでおしゃれなデザインにまとめた。
提案ではピクルス、わさび漬、チップス、ドレッシング、プリンなど、自然薯を使った商品展開を行い、パッケージデザインを考えてサンプルを作成。ピクルスなどは、実際に自分で調理して瓶詰めしたという。さらに観光客も呼び込んで地域活性しようと、自然薯を扱うカフェやミュージアム、ショップなどが建ち並ぶ商業施設「morinji village」も提案。具体的に施設のマップの作成も行った。
受賞作品展示会場にはこのほか、古い建物のリノベーション提案や、家具デザイン、公園整備計画など、さまざまな分野の作品が並んだ。