コンビニエンスストア最大手の「セブン―イレブン・ジャパン」(東京都千代田区)は12月5日、石川県との間で「連携と協力に関する包括協定」を締結した。同店の宅配サービスを利用する高齢者の安否確認、県産品を使った商品の開発・販売、北陸新幹線金沢開業に向けた観光情報の発信などに協力し、地域への浸透を図る。
協定書に記された連携事項は11項目。高齢者の安否確認は宅配サービスの配達員が行い、万一の際には病院や警察、県に連絡する。
県内では、全80店のうち約8割の店舗が宅配サービスを実施しており、高齢者の利用が多いという。
5日に県庁で行われた締結式では、同社の井阪隆一社長兼最高執行責任者(COO)と谷本正憲知事が協定書に署名し、固い握手を交わした。
井阪社長は「県産の米を全国で使い、魚を使った新しい商品も強化したい。(加賀野菜の一つ、サツマイモの)五郎島金時のスイートポテトについても、全国で販売できたらいい」と話した。また、谷本知事から要望を受け、2015年春の北陸新幹線金沢開業に向けて、東京や沿線自治体の店舗でPRに協力できるよう検討していくとも語った。
協定書にはこのほか、災害発生時に被災地に生活必需物資を供給し、帰宅困難者には全店の水道・トイレを提供することも盛り込まれた。
県内各店では同6日から、協定締結を記念する「石川応援フェア」が始まった。魚醤(ぎょしょう)「いしる」で味付けされた焼サバや郷土料理「治部煮(じぶに)」などを詰め込んだ幕の内弁当「石川応援弁当」(600円)と、能登牛を具材に使用したおにぎり(198円)、五郎島金時のスイートポテト(155円)が同20日まで地域限定で販売される。
同社はこれまでに、全国の44の府県、政令指定都市、市と同様の協定を結んでおり、石川県は45番目。