北陸鉄道(金沢市割出町)は9月14日、35年前に引退したボンネットバスのデザインを再現した「復刻バス」1台の走行を始めた。
このボンネットバスは昭和30年代から、金沢市内の循環バスや、旧鳥越村(現在の白山市)の白山下駅と旧尾口村(同)の岩間温泉を結ぶ路線で利用されたが、老朽化のため、1978(昭和53)年、引退した。
現在、走行しているほとんどのバスはエンジンを車体後部に積んだ箱型のリアエンジンタイプだが、このバスはフロントに搭載しているため、その分、車内が狭いのが特徴。車体は水色にエンジ色のラインを施したデザインで、目玉のような丸いヘッドライトを配してあり、往時をしのばせる。
車内には、現役時代の同バスや、1967(昭和42)年に廃線になった路面電車「金沢市内線」の写真を展示し、当時を知る市民、県民が乗車後も昔を懐かしむことができる仕掛けを施した。
10月13日に迎える創立70周年の記念企画。「当時のカラーをビジュアル化することで、歴史を礎として、これからも安全第一に、地域に親しまれる企業として走り続けていきたい」との思いを込めたという。
「復刻バス」は、JR金沢駅東口を出発し、橋場町、兼六園下、十三間町、片町などを巡って同駅東口に戻る「城下まち金沢周遊バス」の1台として、毎日、金沢市内を走行している。乗車料金は、大人=200円、子ども=100円。