石川県の平松牧場(加賀市、TEL 0761-74-7366)は4月30日、金沢市の「堀田洋菓子店」(扇町、TEL 076-231-2657)の協力を得て、糖質を抑えた「糖質オフジェラート」を発売した。ダイエットや健康維持のために摂取を控える人、糖尿病患者らの需要を期待している。
商品名は「糖質オフ メリーさんのジェラート」。平松牧場の役員・平松薫さん(38)が今年3月、砂糖と小麦粉を使わないショートケーキなど、「糖質オフスイーツ」を製造・販売している堀田洋菓子店の代表、堀田茂吉さん(57)から共通の知人を通じ、「糖質オフジェラート」を作ってみないかと誘いを受けたのがきっかけで、商品開発に乗り出した。
同ジェラートには、グラニュー糖などの代わりに、天然甘味料「エリスリトール」や植物由来の甘味料「ラカント」を使用した。また、生クリームは入れず、生乳の味を生かした「ミルク」味と、牧場内で作られたヨーグルトを使った「ヨーグルト」味に仕上げた。
1カップ(90ミリリットル入り)に含まれる糖質は4.2グラムで、同牧場が製造する通常のジェラート1カップ(120ミリリットル入り)の20.7グラムと比べて、大幅に糖質をカットした。
平松さんは「初めは通常のジェラートと同じ作り方をして味を近づけようとしたが、エリスリトールやラカントには独特の風味があり、うまくいかなかった。堀田さんから『ジェラートと考えず、おいしく食べられる、冷たいクリーム状の食べ物と考えてはどうか』とアドバイスをもらったおかげで、発想を変え、一から作ることができた」と感謝する。
今後は夏に向けて、イチゴ味やヨーグルト味レモン風味、抹茶味、チョコレート味などを売り出す計画という。1カップ378円。同牧場内の店舗「MooMoo(モーモー)まきば」と、同洋菓子店で販売する。
堀田さんは「誕生祝いの席など、コミュニケーションの場には甘いものが登場するが、糖尿病を患う方やその家族たちは食べることができず、我慢している。これからも関心を持ってくれる事業者の方に糖質オフ商品の製造を勧め、金沢をその発信地にしたい」と話している。