「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」(京都市)が2月24日、北陸ブロックを結成し石川県政記念しいのき迎賓館(金沢市広坂)で初のフォーラムを行った。
2009年3月に発足した同ネットワークの会員数は、昨年2月末日現在で629人(個人=603人・団体=26)。介護する側・される側が共に安心して暮らせる社会を目指し、支援活動の交流や情報交換を行うとともに、総合的な家族介護者の支援について調査研究と政策提言を続けている。
活動が全国的な広がりを見せる中、石川・富山・福井在住の男性介護者会員が働き掛け結成された北陸ブロックでは、男性介護者と支援者が互いに親睦を深めるとともに、雪が多いなど北陸ならでの環境の下、生活に役立ち地域に密着した質の高い活動を目指す。
当日行われたフォーラムには、会員と関係者ら約40人が参加。富山県高岡市在住で「男性介護者の会 みやび」を立ち上げ、精力的に活動を続ける平尾隆さんが、同ブロックの立ち上げにも協力。結成の経緯や今後の方向性について「自分の経験からも、男性介護者が社会から孤立しないための交流の場は地域ごとに必要」とし、「今後は年2回ほど集いの場を設け、落語や演奏会など気軽に参加できるイベントを通して、介護者と支援者による語らいの場を作りたい」と語った。北陸ならではの取り組みとして、農作業の時期を考慮した計画で進めるとも。
また、立命館大学産業社会学部の津止正敏教授による「男性介護者のケア・コミュニティー」をテーマとした講演に続き、NPOスマイルウェイ(兵庫県宝塚市)の活動事例が紹介され、会員らとの意見交換も行われた。
同ブロックの事務局を務める石川県立看護大学在宅看護学講師の彦聖美さんは「確実に男性介護者が増える中、社会から孤立しないための環境づくりを進めていきたい。地域に根差した交流の場に気軽に参加してもらえれば」と呼び掛ける。